限界研の渡邉大輔の手による、初の単著『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』を人文書院から刊行されます。
- 作者: 渡邉大輔
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2012/12/26
- メディア: 単行本
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年末26日発売とのことでしたが、都内主要書店ではあさっての21日には店頭に並ぶようです。
値段は税込で、2415円。
この手の映画の専門書としては破格の安さ。大学生や20代の若いひとたちにこそ!
はじめに
第I部 環境分析
第一章 「映像圏」の誕生
1 ソーシャル時代のイメージ文化
2 多重現実化する現代映画
3 「コミュニケーション」が生む映像美
第二章 「からだ」が/で見るヴィジュアルカルチャー
1 身体化/ゲーム化する現代の映像
2 立体視モデルと生理学的な視覚
第II部 歴史
第三章 映像圏の映画/映像史
1 映像圏の考古学――環境
2 映像圏の考古学――身体
3 ハリウッド映画と映像圏
4 映像圏の批評史
第III部 作品論/メディア分析
第四章 作品論――映像圏作家を読む
1 ウェルズ
2 岩井俊二
第五章 メディア分析――映像圏のなかのTwitter
1 「幽霊」と戯れるツール
2 現=潜勢性のユートピー
3 映像圏のポジティヴィティ
第IV部 社会論
第六章 映像圏の「公共性」へ――「災後」社会の映画/映像論
1 フィルムレス時代の公共性
2 ポスト震災時代の映像文化
おわりに
註
映像圏を知るためのキーワード20
あとがき
索引
ゼロ年代批評の到達点にして、新たなる出発点
ネットを介して流れる無数の映像群と、ソーシャルネットワークによる絶え間ないコミュニケーションが変える「映画」と社会。「表層批評」(蓮實重彦)を越えて、9.11/3.11以後の映像=社会批評を更新する画期的成果、待望の書籍化。
ウェルズから「踊ってみた」まで、カントから「きっかけはYOU!」まで
「今日のグローバル資本主義とソーシャル・ネットワーキングの巨大な社会的影響を踏まえた、これまでにはない新たな「映画(的なもの)」の輪郭を、映画史および視覚文化史、あるいは批評的言説を縦横に参照しながらいかに見出すか――それが、本書全体を貫く大きな試みだったといってよい。つまり、筆者が仮に「映像圏Imagosphere」と名づける、その新たな文化的な地平での映像に対する有力な「合理化」のあり方を、主に「コミュニケーション」(冗長性)と「情動」(観客身体)というふたつの要素に着目しつつ具体的な検討を試みてきたわけである。」(本書より)
詳しくは渡邉大輔個人ブログimagosphere notesへ。