限界研『ポストヒューマニティーズ』出版を近年して、Book Newsとの連動企画「SF・評論入門」。
7回目は小森健太朗。
「SF・評論入門7 ハイデッガーの存在論から次元論への道筋:小森健太朗」
「ハイデガーの存在論」「フッサールの認識論」と聞くとなにやら小難しく思えるが、小森健太郎は『神、さもなくば残念』(作品社)では、
ハイデガーの存在論⇒『ストライクウィッチーズ』論、真理をめぐる倫理的な問い(パンツについて)
フッサールの認識論⇒「萌えの現象学」
と分類される。
『ポストヒューマニティーズ』の小森原稿は、『神、さもなくば』の前半(現象学)、後半(ウスペンスキー次元論)をつなぐものだと、位置付けられている。
目につくキーワードからは「難解な思想・哲学」のように思えるが、その実、取り扱っているのはアニメであり、アニメ論そのものは非常にわかりやすい。
紹介しそびれてしまったが、6回目に渡邉大輔が寄稿している。
渡邉が論じるのは『キング・コング』(1933年)という古典的SF映画。渡邉は野心的に、古典SF作品誕生の経緯を検証しながら、昨今流行している「擬似ドキュメンタリー」の起源をさぐろうとしている。そもそも、SF/映画はその起源に「現実/虚構」の図式の解体を促す力をもっていたのではないか? と渡邉は問いかける。
今までの「SF・評論入門」はこちら。
5回目「SF・評論入門5 はじめての言語SF ――ガツンと一発、言語をキめてみよう! 海老原豊」
「なぜ宇宙でも未来でも異世界でも超能力でもなくポストヒューマンなのか?『ポストヒューマニティーズ 伊藤計劃以後のSF』について 飯田一史」
4回目「SF・評論入門4 あなたはロボに配慮しますか? 〜ロボット倫理学と瀬名秀明〜 シノハラユウキ」
3回目「SF・評論入門3:「伊藤計劃以後」とハイ・ファンタジーの危機――未来は『十三番目の王子』の先にある!岡和田晃」
こちらもあわせてご覧ください。
限界研、最新イベント
限界研【編】『ポストヒューマニティーズ 伊藤計劃以後のSF』刊行記念
未来を産出(デリヴァリ)するために
〜新しい人間、新しいSF〜場所:ジュンク堂書店 池袋本店
開催日時:2013年10月05日(土)19:30 〜八杉 将司(日本SF作家クラブ会員)
岡和田 晃(批評家・日本SF作家クラブ会員)
海老原 豊(日本SF作家クラブ会員)★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
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