限界研blog

限界研の活動や記事を掲載します。

『小説トリッパー』、『ジャーロ』最新号に藤井義允が寄稿

限界研メンバーの藤井義允が「小説トリッパー 二〇一八年冬季号」、またミステリ雑誌「ジャーロ No66」に評論を寄稿しています。

小説トリッパーは「渦に飲まれる『私』たちーー中村文則論」というタイトルで、中村文則について、最新作『その先の道に消える』まで含めた評論を書いています。

その先の道に消える

その先の道に消える


ジャーロの方は円城塔『文字渦』、名倉編『異セカイ系』の二作を扱い「ミステリと『書くこと』の倫理」というタイトルの評論を書いています。

ジャーロ No. 66

ジャーロ No. 66

文字渦

文字渦

異セカイ系 (講談社タイガ)

異セカイ系 (講談社タイガ)


どちらも純文学をベースに「書くこと」について論じた評論です。ぜひご笑覧ください。

『プレイヤーはどこへ行くのか――デジタルゲームへの批評的接近』を刊行いたします

来る12月15日、限界研は『プレイヤーはどこへ行くのか――デジタルゲームへの批評的接近』と題したゲーム論集を刊行いたします。

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デジタルゲームというメディア固有の体験は我々の世界観をどのように変えるものなのか。
物語や表現を分析する従来の批評の枠組みだけでは、ゲームとは何かを論じることは容易ではない。
インタラクティブ性に代表されるゲームの特質を解読するため、これまでにない視点を開拓した新時代の評論集。

プレイヤーはどこへ行くのか――デジタルゲームへの批評的接近

プレイヤーはどこへ行くのか――デジタルゲームへの批評的接近

目次

はじめに ゲームと現在/竹本竜都

第一部 ゲームとシステム

壁でできた世界―「死にゲー」からみるデジタルゲームの難易度論/竹本竜都
バトル・ロイヤル形式が抱えているルール上の問題点とその解決法について/藤田祥平
自律する〈増分〉と〈育成〉のゲーム―放置ゲーム論/北川瞳
反転する原作―ゲーム化論/藤井義允
「ゲームとシステム」を考えるための更なるキーワード

第二部 ゲームと身体

リアリティ・ミルフィーユに遍在するVTuberたち―複数キャラクター同時プレイ論/宮本道人
21世紀版「もの」への問い―「艦これ」と「FGO」を通して/小森健太朗
デジタルゲームのむなしさと人生のむなしさ/草野原々
記憶に触れること―『PRY』とタッチスクリーンの詩学/冨塚亮平
「ゲームと身体」を考えるための更なるキーワード

第三部 ゲームと社会

ディズニーツムツムとこれからのメディアミックス/蔓葉信博
「規則」と「約束」―『ストレンジャー・シングス』とゲーム/冨塚亮平
パチンコのゲーム性の変遷―演出・ボタン・規制/西貝怜
不幸な未来も「ゲーム」が作るのか?―「ゲーム」と「政治」に関する批判的ノート/藤田直哉
「ゲームと社会」を考えるための更なるキーワード

第四部 ゲームとゲーム

「カウンターゲーミング」と「メタフィクション」―批判的ゲームの可能性/藤田直哉
作品を乗っとる勲章―デジタルゲームの【実績】論/北川瞳
ModderはCODEと戯れる―ゲームのアーキテクチャとMOD論/竹本竜都
叙事的ゲームのインターフェース―そのボタンは有機的タイムマシンを起動する/宮本道人
「ゲームとゲーム」を考えるための更なるキーワード

おわりに ゲームと批評/宮本道人

『プレイヤーはどこへ行くのか』執筆者一覧

竹本竜都─たけもと・りゅうと
一九八八年生まれ。テレビドラマ・映画助監督。インターネットサーファー・ネットカルチャーウォッチャー。フリーランスの立場を利用し、一年の半分ほど働かずに日々インターネットとゲームに勤しんでいる。学問的・専門的バックグラウンド:特になし。主な寄稿先に「ユリイカ」「ジャーロ」等。好きなゲームは『Wolfenstein:Enemy Territory』。https://twitter.com/17noobies


宮本道人─みやもと・どうじん
一九八九年生まれ。科学文化評論家。東大物理学専攻博士課程、リサーチアシスタント。変人類学研究所(学芸大×NPOこども未来研×QA社) 主任研究員。STS NetworkJapan 代表。JST RISTEX HITE「想像力のアップデート:人工知能のデザインフィクション」研究開発実施者。神経科学を研究しながら、新しい学問の形を提案すべく執筆活動。著書に『フィールド写真術』(分担執筆、古今書院)など。主な寄稿先に「ユリイカ」「週刊読書人」。漫画・舞台作品にも協力。好きなゲームは『ドラクエ6』。https://twitter.com/dohjinia

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『東日本大震災後文学論』出版記念イベント

2017年8月30日に限界研編『東日本大震災後文学論』(南雲堂)の出版を記念してトークイベントが開催されました。限界研メンバーである杉田俊介、藤井義允、藤田直哉に加え、ゲストに編集者・文芸批評家である仲俣暁生さんを迎え、「いま、震災後文学を読む」と題して議論をしていきました。

東日本大震災後文学論

東日本大震災後文学論

仲俣暁生×杉田俊介×藤井義允×藤田直哉
「いま、震災後文学を読む」
東日本大震災後文学論』(南雲堂)刊行記念
http://bookandbeer.com/event/20170830_bt/

「震災後文学」について、年代を超えて様々な意見が出され、「震災後文芸」、死者復活論、東北ユートピア論、ディストピア化する世界など、多岐に及ぶ議論がなされました。

今回の限界研ブログでは、そこで配布されたそれぞれの登壇者が選ぶ「いま、読むべき震災後文学リスト」を特別掲載したいと思います。本リストは各登壇者が考える「震災後文学」をそれぞれの視点から五冊選び、論じたものになっています。

「震災後文学」とは一体どのようなものなのかを知れるリストになっています。是非ご笑覧いただけたらと思います。

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