私たち限界研(旧:限界小説研究会)は、2000年代半ばに結成された文学、映画、サブカルチャーといった文化事象を研究している若手批評家集団です。
限界研の沿革
本研究会は、当初、本格ミステリ作家・批評家の笠井潔を顧問格とし、数人の若手ライターや文芸評論家の卵たちによって、「先端的なサブカルチャーやインターネット文化に大きな影響を受け、既存のジャンル規則を更新する新しい文学的想像力を備えた小説作品」について考えることを目的に、2000年代半ばに結成されました。
本研究会の結成当時、日本の文学界や若者向けのサブカルチャーの世界では、コミック、アニメなどの「オタク文化」によるサブカルチャー的想像力に大きな影響を受けた作品が、幅広い注目を集めていました。また、そうした文学的/サブカルチャー的想像力の変容に、同時代の批評家たちが鋭敏に反応し、言論の場へ導いていきました。
本研究会もそのような動向に連動し、2006年からe-Novelsにて連載を始めた「限界小説書評」を皮切りに、ミステリ誌「ジャーロ」をはじめ各種媒体にて批評活動を行っております。また、『探偵小説のクリティカル・ターン』(2008年)、『21世紀探偵小説』(2012年)、『社会は存在しない』(2009年)、『サブカルチャー戦争』(2010年)、『ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF』(2013年)、『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』(2015年)、『東日本大震災後文学論』(2017年)といった単行本を発表しています。
*限界研の本
・『探偵小説のクリティカル・ターン』(2008)
- 作者: 限界小説研究会
- 出版社/メーカー: (株)南雲堂
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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・『社会は存在しない――セカイ系文化論』(2009)
・『サブカルチャー戦争 「セカイ系」から「世界内戦」へ』(2010)
・『21世紀探偵小説 ポスト新本格と論理の崩壊』(2012)
・『ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF』(2013)
・『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』(2015)
- 作者: 限界研,飯田一史,海老原豊,佐々木友輔,竹本竜都,蔓葉信博,冨塚亮平,藤井義允,藤田直哉,宮本道人,渡邉大輔
- 出版社/メーカー: 南雲堂
- 発売日: 2015/09/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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・『東日本大震災後文学論』(2017)
- 作者: 限界研,飯田一史,杉田俊介,藤井義允,藤田直哉,海老原豊,蔓葉信博,冨塚亮平,西貝怜,宮本道人,渡邉大輔
- 出版社/メーカー: 南雲堂
- 発売日: 2017/03/10
- メディア: 単行本
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